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12.10.02.~03. とめどなくあれ

 小説やSSでもありません。物語とかでもないです。誰も出てきません。
 10/03 追記しました。誰か出てきましたがやはり小説ではないです。


うまくいくの? と彼女が言うので、右手の空の方へ瓶詰めを浮かばしてみて、
ええ、と言葉を濁し、ぼくらは小さく頭を震わす。
ねえ。
何もかもが好きなのだったけれど、きみもまるでシのように鳴る。
ミファソラド、指の行き先をまちがえて、人は割れる。
あと五分らしい。
でもどうせみんな死ぬんでしょ?
でもきみはいない。訪ねたいこともなくなって、肩を回して、
探し物の続きをついばむことにする。
ノートの切れ端は下駄箱の中で、牛乳はしみこんで、
ああ、臭い、臭い、なんていいながら、笑いながら、笑いがら掃除をする。
もうどこかへ行って欲しい。
五百円玉の穴ぼこから通してみた景色の果てで、
やっぱり瓶は坂道を転がって、少しずつ割れていく。解体されていく。
二匹のエビがちょっとずつ、砂利をまるめて。
もう、ここも終わりですね、と言われた。
重いものは全部なくなってしまった。
もうここでおしまいなのかもしれないねと、でもそれでも続いていて、ばからしくなってやめてしまう。
(パワフルカラフル?)
墓の前で、空がぽんぽんと音を立てて、ちょうちょを少しずつ削っていく。
どうしようか、明日の時計もないのに。
いつもよりずっと痩せた胃の中に、むかでと、散歩がやってくる。
誰かが笑っている。もうこれもだめだね。
それで?
そうだ。
じっと耳を澄ましているといいと聞いて、その通りにやってみる。
もうまるで地蔵である。
僕達は泣いて、泣いて、気晴らしに歩いて、ここまでこれたねなんて言って休む。
誰かが道を叩いている。その横でベンチが寝ている。
奇跡は、アスファルトに沈んでいるものだから。
みんなは、それを待っているのだ。救いようのないくらい邪悪なのに。
ああわかった! 夢の中見たのだ。




*おまけ

蛇の三日
パワフルカラフル
シッ
ヘロルド
誰も見ない
ノーノーアイノー(No No I Know)
しみ
キビツ
アズアレズト・バイ
誰も待たない
そのつの
マズーララズメ
そうが(爪牙)
もう熱はない
腐る空
彼が持つもの
義務
宇宙の園
ラウンドラウンヅオド
ルメル

銀の位地
ソーバスカー
マチッド
花はたぶん咲く
ねむ
湯壷
ハッチ・ハズルカ
ベトー
美木
待つ辺




*追記
「それは、そうかもしれません。でも、君はどっちみち死ぬんです」
 組んだ手の上に、伏せる目のまつげとそこで散る夕日が、しらしらと鳴るのです。
「僕たちは、もう平気です。君の覚悟さえ決まればいいんです」
 これでたぶん彼が泣けば、私達の心からもやは綺麗さっぱり吹き消えたことでしょう。しかし、彼はただ眠ったように細く息をしているだけでした。私達には何もできないのでした。
「それでは、まるでその為に私達が、命を入れ替える、準備をしているようではないですか」
「そう。そうです」
 彼の顔はますます両腕の中に沈んでいきました。だいだいの光を浴びる前髪が、そっと額を撫でました。
「僕たちは別に、だから感謝しろなんて言いません。それは横暴です。それに、君にも失礼な事です。でも、もう戻せないから……だから、せめてそうしよう、と言っているのです」
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