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11.09.19. SS/文鳥

 SSです。『八朶』のひがしさんと、テーマ『文鳥』を共有しました。
 ヘパイスが川に落ちるお話です。メドゥーサも出てきます。

 水がはじけた。視界いっぱいに白い泡が散るところまでを映し、まぶたが閉じた。全身を貫く鈍い痛み。体をつつむ泡の感触。一瞬の間を置いてから、くだけた水の音が耳の奥に響いてくる。
 頭の芯にまでとどく鈍痛に、涙が滲む錯覚を覚えた。
「瞳は、つぶれてしまったのではないか……。まぶたの間から、血が溢れてはいないだろうか」
 目を開くことがこわくなったのははじめてだった。

 ヘパイスは眠っているようだった。口と鼻腔からぷつぷつと上る白い泡さえなければ、コバルトブルーの夢の中を、目覚めることなく沈んでいるように見えただろう。服の中から逃げそびれた水泡が、あてもなく飛んでいく。

 ユニフォームは汚水をたっぷり吸い込んでしまった。肌にも髪にも、生臭いかおりが染みついてしまったことだろう。
「明日、みんなにどう説明しよう」
 夜の川で思う。
「自殺未遂したんだ」
 と、冗談を言う相手もいないのだ。

 水が彼の体をわずかに押し上げた。圧力に任せ、背骨をほんのすこしそらす。遅れて、腕がかすかに持ち上がる。揺れる髪が首筋をなでる。魚のたまごのような泡がまた、川面のほうへ逃げていった。
 水のにおいを彼はかいだ。それはやはり皮膚や口をとおりぬけ、がさがさになった喉に直接届いていた。
 乾いた胃が痛む。都会の川を満たす汚い水が荒れた肌を通して体にしみこんでくる。

 しばらくそうして彼は夜の水中を漂っていた。重い水圧と排水の臭気に肺がつぶれてしまいそうだ。ありったけの酸素を吐いたほうが楽になるかもしれない。

 川底に体を打ち付けなくて良かったと、思う。きしむ骨が、底へぶつかる衝撃に耐えれる確証が持てなかったからだ。
 彼の体は錆びついていた。今こうして川に身を浸している間にも、錆びは進行している。ざらざらに乾いた内臓の、肉とこすれる音すら聞こえてきそうなほどだ。
 骨と骨の継ぎ目にじんと広がる痛みひとつひとつがこのまま増していったら、彼の体は簡単にばらけてしまうだろう。


 少年は重いまぶたを開いた。まぶたと眼球のすきまに、水が入り込む。血も涙もあふれていない。
 遠くは暗黒で、彼の周りは青かった。くもりのない青だった。水中は、星がないことを覗けば、夜空ににていた。


 彼の体はあれから一向に浮かばなかった。川底にたどり着くこともなかった。川面は、どこへいってしまったのだろう。
 彼の四方八方は、藍色で埋まっていた。巨大な動物の体毛のようにゆれる藻も、コンクリートの壁も、陸橋を支える柱も、ただようゴミも見えない。
「僕はどうやって川に落ちたのか」
 泡が上るほうを見あげる。青色の水の一部が、不自然に白くにごっていた。さざ波に溶ける月の光だった。


 その月が、まだほんのわずかに低い位置に釣り下がってときのことだ。
 闇に浮かぶ橋から見下ろした川はごうごう音を立てていた。昼間のにわか雨で、水量がわずかに増していた。うねる流れと、街灯にきらめく泡。
 急いて流れる夜の川に、ぽつりと文鳥が浮かんでいた。それはうねりとうねりの間をすべるように流れていた。
「文鳥だ。死んだ文鳥が流れている」
 死骸が橋の下へ隠れた次の瞬間、ヘパイスは柵へ身を乗り上げ、水面へ落ちていた。

「文鳥が流れていた」
 月の光を見て、彼は思った。
 白い文鳥が流れていた。あれは、たしかに文鳥だった。缶より小さく、袋より厚く、花よりいくらかみすぼらしい鳥。雪のような羽毛に、太く短い桃色のくちばし。鳥は、はるか眼下の川をぷかぷかと流れていた。
 この鳥はどこから流れてきたのだろう。どこかにいる飼い主の籠を開けたのを見計らい、逃げ出してきたのだろうか。飛びつづけているうちに雨に打たれ、川へ落ちたのかもしれない。
 あるいは誰かが、死なせてしまった飼い鳥を流したのかもしれない。
 橋から川面までは、水量が増しているとはいえ、遠く離れていた。柵のあいだから手を伸ばしても、手が鳥に届くとは思えない。
 だから彼は飛び込んだ。
 そして今、その手に文鳥はない。


 水中は静かだった。髪の隙間にかくれていたちいさな空気がのぼるこぽんという音以外、なにもない。あるいは、彼の鼓膜が、水の圧力にやられてしまったのかもしれない。
 雪の積もった夜のような静けさだ。ためいきをつきたいくらいだ。歪む月明かりがかろうじて、川面の流れを思い出させてくれる。
 川は文鳥を隠していた。そして今、それを影も形もなく消してしまった。あるいは死骸が、死を隠すために、生を投げ打ってうねりの中へ身を投げたのかもしれない。


「夜の海はしずかすぎるから」
 と、メドゥーサは言っていた。
「だからね、波の音を聞いてあげなければならないよ。あすこには、昼に飲み込んだものや夜に落ちたものがぜんぶかくれているから」
 どうせ暇なのならもっとましな冗談を言って欲しいと、ヘパイスは思っていた。
 それは、健康診断がはじまったすぐ後のことだった。サッカー部には、学校をあげて行うはず健康診断が、月に一回導入されることになった。部単位での行事なんて、合宿以外になかったんじゃないかと、誰ともなく話し始めた後のことだ。
「なんとなく思いついたことなんだ」
 メドゥーサはそう付け足した。


「ならば川もそうなのだろうか」
 その時みじんも思わなかったことを、ヘパイスは考える。
「川も、ボクを飲み込んだことを隠しているのだろうか」
 しかし、川がものを隠すとはどういうことなのだろう。そしてそれを流れの音の中にだけさらすなんて、どういうことなのだろう。
 そこまで考えて、彼は目をつぶった。
 静寂より重い沈黙が、あたりを満たす。
 まぶたはすぐに開いた。
 ふいに吐き出される泡。闇になじむ少年の表情がわずかに歪む。体を曲げてなんとかスパイクを脱ぎ捨て、腕を大きく振りまわした。川の水をかきまわす手のひらの、もがく音。たしかに彼の耳を打つ、彼自身の体と鼓動。ユニフォームの袖が魚のひれのように揺れた。
 肩の骨のきしむ音が、つんと響いた。
 白い服はゆっくりと、流れに押されつつも、水面へ上っていった。


「夜の海」
 夕日に照らされたヘラがすこしだけ目を見開いて言う。
「おまえ、いつもそんなこと考えてるのか」
「いつもじゃないよ」
「ふうん」
「へんかな」
 口の両はしをにっと上げて、メドゥーサが言った。
 ヘパイスが肩をすくめる。眉をすこしだけ曇らせ、ヘラが首をかすかに振った。
 メドゥーサはおかしそうにくすっと笑って、すこし丸みの帯びたひじをテーブルに乗せた。





 気が付けば、ヘパイスは川辺に立っていた。だいぶ下流にある川辺だった。上流に、街灯でライトアップされた橋が小さく浮かび上がっている。
 彼の記憶は、川面に顔を出す音と、肺をふくらます空気の感触を最後に、ちぎれて消えていた。
 よろめく足は、なんとか地面に踏みとどまっている。髪からしたたる水滴がコンクリートにあたる音。ふるえる体は水よりも冷えている。
 両腕で自分を抱き、目を閉じて、体中を侵食する川の力に耐えていた。膝を曲げ腰を下ろすと、川辺のコンクリート腿を覆う水分を吸い込み、肌の表面に無数の小さな傷をつけた。
「川の中のほうがあたたかかった」
 ようやくひらいたまぶたのあいだから、にごった緑のひとみがのぞく。
 ちいさな波が灰色の川辺に当たりぱしゃりと鳴った。
「寒いな」
 ため息に似たつぶやきを、体の奥から搾り出した。


 夜の海の話をした後、メドゥーサとヘパイスと、同学年のヘラとポセイドンが部室に残った。
 当り障りの無い話をして、強くなってきた自分達のことを話して、健康診断のことを話した。思い出話もした。来年の話もした。フットボールフロンティアのことも話した。
「きっと勝てるよ」
 メドゥーサの言葉に、ヘラはうなずく。
「勝つとも」
 ポセイドンもうなずく。


「勝てるよ」
 夜の川辺でヘパイスがうなずいた。日の入り越しの同意だった。
「ボクは勝ちたい」
 汚いしずくが腕を伝って、ひじの先に溜まり、そこから離れた。
 彼の座るコンクリートは濡れ、夜の闇よりずっと黒く染まっている。すぐそばに、コンクリートをふたつに引き裂くひび割れがあった。中に覗く土とそこに根付いた雑草の陰に、空き缶がかくれていた。
 ようやくしてきたへどろのにおいが、胃の中にまで立ち込める。
 彼は顔を上げた。上空に月が見える。雲でにごる夜空の中、川の音に隠される事なく、白い光をまっすぐに落としている。

 夜に命をゆだねた文鳥の、青空を翔ける姿を思い浮かべる。川にその身を沈ませた死骸と同じように、彼の潜水の意味もどこかに隠されてしまった。
 すべてはいつか海に流れ着くのだろうか。
 夜の水にはばまれたとしても、月の光は川底を探る。

 ヘパイスの湿ったまぶたと水滴の残るまつげを順順に、月光がやわらかくなぞっている。







 痛みのせいで彼は目を覚ました。
 あわただしくゆきかう足音が、遅れて聞こえてきた。
 ぎんぎん言う頭痛と、悲鳴を上げる骨。夜の静寂とは打って変わった喧騒が、彼を取り巻いている。
 ベッドのまわりにはさまざまな機械が並んでいた。黒いモニターに点滅するオレンジのひかり。数字を写すもの、音を出すもの、管が伸びているもの。ヘパイスは点滴を見あげた。透明な液体の入った袋に、管が繋がれている。管は金属の細い柱をつたって床まで落ち、それからすぐに鎌首をもたげるように持ち上がって、牙の変わりに細い針を彼の手首に刺していた。
 彼は川の中のことを思い出していた。黒い川。泥もほこりも舞っていない、闇そのままのような水。そしてそこをなめるように照らす月の光のことも。
 喉がからからに渇いている。水に潜ったのにおかしなことだと、思う。
 ベッドの横には、柵よりせいの高い机がおいてあった。グラスにはなみなみと水が注がれていた。
 緑の目がコップのむこうの壁を睨む。一点の曇りも無い白い壁が、蛍光灯の光をあびて、ちいさなひびやくぼみの影を自らに落としていた。

 看護士の声がする。痛みと、うなる機械のむこうから。
「……でしょうか?」
「ばかな」
「ではなぜ……」
「……から連絡は?」
「ありません」

 目を閉じると、まぶたが熱い。ぬるい涙が出た。

 部屋におかれたベッドは一台だ。ややせまい部屋は、ヘパイスと、彼の寝るベッドと、それを囲む仰々しい機械でいっぱいだった。カーテンは閉まっている。天井に埋め込まれたスピーカーから、館内放送は聞こえてこない。他に見えてくるものは、備え付けられた洗面台の、蛇口から落ちる一滴の水くらいだ。洗面台は彼の右手にあった。いくつもの機械が立ち並んだ向こう側で、しずくがぽたりと音を立てて消えた。



「なんだ生きてたのか」
 メドゥーサの声がした。目だけを動かして部屋の入り口を見ると、やはりメドゥーサがそこに立っていた。彼は部屋をすばやく見回し、機械の群れを数秒睨んだ。
 すぐにヘパイスへ向き直り、表情をくずす。
「こんばんは」

 ヘパイスが体を起こすと、きちんと伸びた布団に深い皺が寄った。
 その様子を見届けてから、メドゥーサは言葉を続ける。
「川に落ちたんだって?」
「そう」
 たまりにたまった息を吐いて、ヘパイスが返事をする。

「今日ってそんなに暑かったかな」
「そういうことじゃないよ」
「じゃあ、落とされたとか」
「それも違う」
 ふーんと間延びした声を漏らしたメドゥーサは、スリッパの音を部屋中に響かせながら入ってきた。流しのそばに置いてあるパイプ椅子を目に留めると、ベッドと壁の間をするりと通り抜ける。体の向きを変えるとき、スリッパがきゅっと音を立てた。
 首を回してその様子をみていたヘパイスは、椅子に座った彼のほうへ向き直った。左腕に刺さった針が抜けないよう、注意を払いながら。

 それから、川の話は出なかった。
 彼らはサッカーの話をして、明日の話をして、テストの話をした。静かな病院だった。時折看護士が部屋を覗いたが、彼らの話を遮るものはそれくらいだった。
 窓は閉まっているらしく、カーテンはなびかない。排気ガスのにおいも、川のにおいはしない。かわりに、空気はアルコールくさかった。理科室のにおいによく似ていた。

 ふと思い出したようにヘパイスが言う。
「今、何時だろう?」
「さあ」
 部屋を見回してみても、時計はない。彼の持っていた腕時計は、水に落ちたときとまってしまった。針は七時過ぎをさしている。
「いったいあれからどれくらい過ぎたんだろう」
 心の中でつぶやく。
 その間、メドゥーサはじっとしていた。口も開かなかった。しっかりした沈黙だ。話し声に隠れていた、機械を冷やすファンのうなりが、再びあたりに満ちる。廊下を行き来する看護士の数もだいぶ減ってきたらしい。さきほどこの部屋の前を横切った医者は、あくびをしていた。

 ヘパイスの耳の奥には、夜の川のとどろきが残っている。しかし、街灯がともる橋の上からみた川に、どんな水が流れていたのか思い出せない。着水してからの藍色の水中は、思い出せば思い出すほど、信じられないくらい透明になっていく。
 それでも、潜りながら見た歪む月とその光や、全身を包んでいた水泡の感触は、今でも残っていた。骨まで染みた冷気が、命の炎に熱されて消えるまで、時間がかかりそうだ。

 ふいに、「いて」と声が漏れた。無意識のうちに動かした左腕に、痛みが走ったのだ。ヘパイスは、それが彼自身の言葉であることにしばらく気付かなかった。メドゥーサの表情が翳ったのを見て、その小さな悲鳴と自分の声色を結び付け、ようやく左腕を注視した。包帯に血は滲んでいないが、自分の血管に針が差し込まれていることを確信する。
 点滴は、動きつづけている。機械たちの発散する熱で、部屋は少し蒸していた。ヘパイスは咳をした。温度と湿気の高い空気が、肺に張り付いた。

 両手を軽く握り合わせ、メドゥーサは包帯を眺めた。
「本当に、誰かに落とされたんじゃないんだね」
 首を横に振る。
「違うよ」
「ならいいんだ。いや、よくないけど」
 うやむやな返事。ふたりの、笑おうという努力は無駄になった。
 カーテンの向こうから闇が漏れている。厚い布の向こうに、夜に薄められた、眠る人々人々の寝息が聞こえる。
 夜の中では、意志はくっきりと浮かび上がる。意志がなければ、眠れるからだ。

「キミはボクの話を信じていないよね?」
 淡い闇の中でメドゥーサは言った。
 ヘパイスは蛍光灯を見あげた。それから、友人の顔を見た。
「そんな話をするために来たの」
 メドゥーサが「まさか」と声を上げる。「そうだとしたらそれって酔狂だよ」
「だよね」
 ベッドに横たわり、ヘパイスは笑った。唇のあいだから覗く白い歯が、褐色の肌と相まってよく目立つ。
「ほんとのことは、そこにあるものとは別のとこに隠れてるって。そう言いたかったんだ?」
「それだけじゃないけど」
 メドゥーサが両手を離した。右手で前髪を少しいじり、天井を見上げる。「でも近いな」

「それじゃ、海って別の意味なの?」
「うーん」
 髪を弄ぶ指を止め、そのかっこうのまま部屋をじっくりを見回した。
「たとえばこの病院が、海だよ」
「波は?」
「健康診断」
「へー」

「やっぱりあんまり信じてないね」
「現実的な話だと思ってなかったんだ」
 長く息を吐く。水の底で吐き忘れたものを押し出すようなため息だった。
「やっぱりキミ、すこし変わってる」

「どうも」
 メドゥーサはようやく笑った。
「でも、面白いからいいや」
 右手で布団を引き上げ、ヘパイスが目を細める。
「どうも」
 指に絡めた前髪をほどき、右手を膝に乗せる。つま先を持ち上げると、スリッパがぱたんと鳴った。


 窓を締め切った部屋は、それきり喧騒から切り離された。廊下の電気がいつのまにか消えて、非常灯の浅い光が床に伸びていた。
 ベッドの真上で光る蛍光灯の低く鈍いうなり。沈黙が揺れている。
「文鳥が流れてた」
 ヘパイスがかすれた声を出した。
「文鳥」
「そうだよ。白くてきれいだった」
 細くもれた声色は静かな部屋によく溶けた。言葉のひびきはうすく部屋を満たした後、天井に吸い込まれていった。ふたりが見上げている天井に。
 ヘパイスがしめった息を吐いた。そしてすぐに肺をふくらませ、一瞬息を止め、吐いた。数のつりあわないふたりの呼吸。
 どこからか、かいだことのない、しかし明らかな薬品のかおりがする。

「ねえ」
 呼吸の合間にヘパイスが言った。
「川の水をちょっと飲んだだけで病気になったりするんだろうか」
 メドゥーサはすこし考えてから、
「川によるんじゃないかな」と言った。
「ボク、あの川がきれいかどうか知らないや」
 記憶の中の川は藍色の水でできていて、ほこりもごみも一つも無かった。昼間立ち上ってくるへどろのにおいもなかった。
「ああ、なんだかすごく眠い」

 それきりふたりは押し黙った。ヘパイスは目を閉じ、メドゥーサは手を組んだ。
 清潔な布団がふくらむのと、メドゥーサの肩の上下するタイミングは、最後までずれていた。ふたりの息は小さく、機械にかき回されて消えていく。遠くで、椅子を引く音と扉を閉める音。


 月が川底に、白い石を見つける。川は透明に流れ、せき止められればほこりを積む。文鳥は時に浮かび、時に身を隠しながら海に流れ着く。
 いるのかいないのかわからない、おぼろげな白い文鳥。



 ヘパイスが短く深い眠りから覚めたとき、メドゥーサはもういなくなっていた。廊下にもカーテンの向こうにも明かりはない。蛍光灯も消えている。
 何事もなければいいが。
 病室に、ようやく夜がやってきた。
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